三軒茶屋駅前おなかクリニック

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睡眠薬の種類について

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睡眠薬の種類について

睡眠薬の種類について

寝つけない、何度も夜中に目が覚める、寝たはいいものの朝早く目が覚めてしまう、熟睡感がない…など、睡眠でお困りの方は多いと思います。
今回は、睡眠障害(不眠症)の原因や、睡眠を助ける薬の種類などについてお伝えしていきます。

睡眠障害の原因

  • 翌日に、緊張するイベントやストレスとなる出来事がある
  • 生活リズムが不規則で、夜更かししがち(スマホやテレビなどを夜遅くまで鑑賞するなど)
  • アルコールやカフェイン(コーヒーなど)
  • 薬の影響
  • うつ病や不安の病気など、精神的な病気
  • 体の病気の症状(痛みを伴う病気、呼吸器や神経の病気、心不全、甲状腺の病気、アレルギー性皮膚炎など)

このように、精神的な問題や生活リズムや生活習慣の乱れが背景になっている事が多いのですが、重篤な精神疾患や身体疾患が隠れている事がありますので、眠れないことが気になったら、一度医療機関に相談してください。

睡眠障害のパターン

  • 入眠困難(寝つきが悪い)
  • 中途覚醒(夜中に何回も目が覚める)
  • 早朝覚醒(早く目が覚めてそのまま朝を迎えてしまう)
  • 熟眠障害(眠った気がしない)

これらが続くと、体がいつも怠い、集中できない、イライラする、意欲が落ちる、不安や心配などで気持ちが落ち着かないなどの弊害が出てくるようになり、日常生活に支障をきたすことがあります。

睡眠薬の種類

睡眠薬には、その作用時間の違いから超短時間型、短時間型、中時間型、長時間型に分けられます。睡眠障害のパターンに応じて薬を使い分けていきます。

※横にスクロールできます。

効果時間 睡眠薬 こんな人に
超短時間型 2~4時間
  • ゾルピデム(マイスリー)
  • トリアゾラム(ハルシオン)
  • ゾピクロン(アモバン)
  • エスゾピクロン(ルネスタ)
  • 眠れない
  • 寝つきが悪い
  • 次の日に薬の影響を持ち越したくない
短時間型 6~10時間
  • ブロチゾラム(レンドルミン)
  • ロルメタゼパム(ロラメット、エバミール)
  • リルマザホン(リスミー)
中時間型 12~24時間
  • フルニトラゼパム(ロヒプノール、サイレース)
  • ニトラゼパム(ベンザリン、ネルボン)
  • エスタゾラム(ユーロジン)
  • 途中で目が覚めてしまう
  • 一度目が覚めると再入眠できない
長時間型 24時間以上
  • クアゼパム(ドラール)

上記は、主にベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系と呼ばれる睡眠薬です。脳内のGABAという物質の働きを強めることで、脳の神経活動を抑えて催眠・鎮静作用をもたらすお薬です。睡眠に効果をもたらす一方で、依存性(薬に頼らないと眠れない)や耐性(同じ量の薬を飲んでいると徐々に効かなくなってしまう)、筋弛緩作用などの恐れや、突然やめると急に眠れなくなるという問題が起こる事もあります。

それ以外に、最近は、自然な眠りを誘発するための、新しい薬が使えるようになりました。
その一つのオレキシン受容体拮抗薬(ベルソムラ、デエビゴ、クービビック)は、依存性や耐性が少ない、筋弛緩作用がないので転倒などの危険が少ない、脳内の覚醒システムを抑える働きにより自然な睡眠パターンが得られる、といった利点があります。一つの薬で入眠困難や中途覚醒の両方をカバー出来たり、翌日への持ち越しが少ないため、処方されることが多くなってきていますが、たまに悪夢を見るという方もいるので、その際は別の薬を使う方が良いでしょう。
また、メラトニン受容体作動薬(ロゼレム)という薬もあります。これは、体内時計のリズムを司っているメラトニンの分泌を促す薬です。体内時計を調整してくれるので、昼間は起きる、夜は寝る、というパターンが作りやすくなります。効果を実感するまでに少し時間を要することがありますが、副作用は少ないため、粘り強く使い続けてみることをお勧めします。

睡眠薬を飲むうえでの注意点

  • 処方箋通りに内服しましょう(自己判断で追加したり突然やめたりしない)。
  • アルコールと一緒に飲むことはやめましょう。
  • めまいやふらつき、だるさなど、体に変調が現れたらすぐに処方してくれた医師に相談しましょう。

薬に頼らない方法

厚生労働省では、「睡眠障害対処の12の指針」を掲げています。

1.睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分

もともと睡眠時間の長い人、短い人もいますし、季節や年齢によっても睡眠時間は変動します。「〇時間寝なければ!」とこだわりすぎないようにしましょう。

2.刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法を行いましょう。

就床前4時間のカフェイン摂取、就床前1時間の喫煙は避けましょう。軽い読書、音楽、ぬるめの入浴、アロマ、ストレッチなどを試してみてください。

3.眠たくなってから床に就く、就床時刻にこだわりすぎない

「寝よう寝よう」と意気込むと、かえって頭がさえてしまいます。

4.同じ時刻に毎日起床

早起きが早寝に通じることで、体内時計が整います。

5.光の利用でよい睡眠

目が覚めたらカーテンを開けて、日光を浴びて体内時計を起動させましょう。夜は、少し暗めの照明も効果的です。

6.規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣

朝食は心と体の目覚めに重要です。運動習慣をつけることで、より深く眠れるようになります。

7.昼寝をするなら、15時前の20~30分

長い昼寝はかえってぼんやりする原因になります。タイマーをかけてコンパクトに昼寝をしましょう。夕方以降寝てしまうと夜の睡眠の質が下がります。

8.眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに

寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減るので、思い切って遅寝早起きしましょう。

9.睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意

背景に睡眠時無呼吸症候群やレストレスレッグス症候群などの病気が隠れている事があります。家族にも睡眠の状況を観察してもらってください。

10.十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に

長時間眠っても日中の眠気で仕事・学業に支障がある場合は専門医に相談しましょう。

11.睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと

アルコールを飲むことで寝ようとする方がいますが、アルコールは睡眠の質を下げたり、夜中に目が覚める原因となるので、控えましょう。

12.睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全

睡眠でお困りの場合は、上記12か条をまず実践してみてください。それでも眠れない場合は、当院にご相談ください。睡眠障害のパターンや、それに合わせたお薬の調整などのお手伝いをさせていただきます。

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