内視鏡検査は健診としても行われており、いかに苦痛を少なくし、定期的に継続可能な検査であるべきと考えています。
腹痛、胸焼け、胃もたれなど、おなかの症状が同じであっても病気は様々です。
胃カメラは直接、胃や食道の病気を観察することができ、正確な病気の診断、病状の把握が可能で、適切な治療を行う上で重要な情報を得ることができる検査です。また無症状の早期がんなどの発見にも有効な検査方法のひとつとして健診などにも推奨されています。
近年の内視鏡は格段に進歩しており、以前より苦痛も少なく、より精密な検査を行うことが可能となっています。
ただし全く体に負担のない検査ではなく、過去に辛い経験をされた方もおられると思います。当院ではご希望に応じて鎮静剤(静脈麻酔)を使用し、苦痛を軽減した検査もできます。検査が必要かどうかは、医師と病状などを相談の上、適切に行うことが重要です。
胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)でわかる疾患
食道がん、胃がん、十二指腸がんといった悪性腫瘍などの他に、胃ポリープ、十二指腸ポリープ、粘膜下腫瘍などの良性腫瘍、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、急性胃炎、慢性胃炎(萎縮性胃炎)、アニサキス、ピロリ菌といった疾患の精査、診断に有効です。
① 内視鏡専門医による検査
検査は全例、経験豊富な内視鏡専門医が行っております。神戸大学、虎の門病院で20,000件以上の胃カメラを経験し習得した診断、治療技術でクリニックにおいても、安全かつ高品質な内視鏡検査をおこないます。
② 経口内視鏡検査・経鼻内視鏡検査の両方に対応
内視鏡はオリンパス社製の最新の内視鏡機器を導入し、口から入れる1cm弱の通常内視鏡(経口内視鏡検査)、鼻から入れる5mmの細径内視鏡(経鼻内視鏡検査)のどちらにも対応しております。また、細胞検査を加えることにより、胃の中のピロリ菌検査を行うことも可能です。
③ 鎮静剤(静脈麻酔)を安心して使える充実した検査環境
リカバリールームを完備しております。鎮静中、鎮静後もモニター管理を行い安心して鎮静剤(静脈麻酔)を使用可能な環境を整えております。
④ 初診当日も胃カメラに対応可能
「調子が悪いので早く検査がしたい」「健診に引っかかったけど仕事が忙しく、その日しか空いていない」など胃カメラを受けたくても受けられない方でも、条件が合えば受診したその日に胃カメラが可能です。受診当日に胃カメラをご希望の方へをご参照ください。
経口内視鏡検査
カメラを口から挿入し、先端に付いている超小型のカメラで主に胃や食道の様子を画面に映し出して検査を行います。当院で使用している胃カメラはハイビジョン対応、狭帯域光観察(NBI)、約100倍まで拡大可能なズーム機能を装備し画像強調観察技術を駆使して病変の細部まで観察可能な最新機で、スクリーニングから精密検査まで対応しております。
また技術の進歩に伴い年々カメラは細く挿入しやすくなっており、以前に比べて身体への負担は軽減されております。これまで勤務した病院が専門病院であった事もあり、ほとんどの症例を鎮静剤(静脈麻酔)の使用なしで検査をしてきました。普段食事の通る経路でありコツをつかめば、ほとんどの方が検査可能である印象がありますし、私自身も胃カメラは鎮静剤(静脈麻酔)なしで検査を受けています。鎮静剤(静脈麻酔)を使用しない場合はモニターで自分の胃の中をリアルタイムに観察することができます。
ただし全く負担がないわけでなく、反射の強い方やカメラに対する不安の強い方は無理をせず、鎮静剤(静脈麻酔)を使用することをお勧めします。
経鼻内視鏡検査
わずか直径5㎜程度の太さの胃カメラを鼻から挿入します。細い内視鏡を使用するため、鼻の痛みはほとんどありません。口からの検査と違って内視鏡が舌の根元に触れにくいので、吐き気(咽頭反射)をほとんどおこすことがなく、慣れた方なら検査中も会話が可能で、リラックスして受けて頂けます。そのため鎮静剤(静脈麻酔)を使用する必要はありません。
かつて経鼻内視鏡検査の欠点であった画質の劣りに関しても、近年の内視鏡装置の進歩により精度の高い検査が可能となりました。当院で使用しているカメラはハイビジョン対応、狭帯域光観察(NBI)機能を装備し画像強調観察技術を駆使して病変の拾い上げを容易にします。スクリーニング検査として十分のスペックを有し、口からの内視鏡検査が苦手な方にも楽に検査を受けていただけます。
- こんな症状がある方に検査をお勧めします
- みぞおちや上腹部に痛みがある
- 胸焼けがある
- 喉や胸のつかえ感がある
- いつもむかむか、もたれ感がある
- ゲップがよく出る
- 体重が減ってきている
- 貧血を指摘されている
- タバコを吸う
- アルコールをよく飲む(すぐに赤くなる)
- 消化器のがんの治療経験がある
検査前後の流れ、注意点
- 検査前日
- お食事:夕食は21時までにすませて、その後食事(固形物)は摂取しないでください。飲水は可能です、特に夏場は積極的に水分摂取をして脱水に注意してください。アルコールは控えてください。
お薬:常用薬は通常通りお飲みください。
- 検査当日の朝
- お食事:朝食は抜いてください。検査の2時間前までは水やお茶など透明な水分は摂取可能です(ジュースや牛乳、コーヒーなど色の付いているものは控えてください)。
お薬:常用薬は事前に指示のあるものだけ内服してください。
ご来院時の注意:検査時に使用する薬剤の影響で、一時的に目の焦点が合いにくくなります。また、鎮静剤(静脈麻酔)を使用される方は体の感覚が鈍くなります。そのため、自転車、バイク、自動車などご自身の運転でのご来院は避けてください。
ご来院の際は楽な服装でお越しください。また、検査予約時間の10分前には受付を済ませてください。
- 検査を行う前の準備(検査前処置)
- 検査に当たっての問診を確認します。
胃の泡を抑え観察を容易にする飲み薬を飲んで頂きます。そして、ゼリー状の麻酔を喉の奥にためて、局所麻酔をします。
鎮静剤(静脈麻酔)をご希望の方は点滴の準備を行います。
※妊娠中、妊娠の可能性がある方は、検査を施行できない場合があります。事前に当院までお問い合わせください。授乳中の方は薬剤等考慮いたしますので、必ずお申し出ください。
- 検査後の注意点
- 検査後の注意:検査時に使用した薬剤の影響で、一時的に目の焦点が合いにくくなります。また、鎮静剤(静脈麻酔)を使用された方は体の感覚が鈍くなります。
そのため、検査当日は自転車やバイク、自動車などご自身での運転は避けてください。
お食事:のどの麻酔の影響でむせ易くなっています。お食事は検査後1時間以上(組織検査を行った方は2時間以上)経ってから少量の水分を摂取し、むせないことを確認してからお召し上がりください。
また、検査当日は刺激物やアルコールの摂取は控えてください。
受診当日に胃カメラをご希望の方へ
胃カメラは胃の中が空っぽであれば検査可能です。下記に条件が揃えば受診当日に胃カメラができます。上記の検査の流れ、注意点もご参照ください。
- ① 当日の検査枠に余裕がある。
- ② 最後に食事をしてから8時間以上経過している(水は摂取しても大丈夫です)。昨日の夕食後、何も食べていない方は朝から検査できます。朝食をとられた方も、その後水のみ摂取していただければ夕方から検査が可能です。
- ③ 鎮静剤(静脈麻酔)ご希望の場合は当日、自転車やバイク、車などご自身で運転はできません。公共機関を利用して受診してください。
- ④ 検査説明や事前の問診、検査の順番待ち、検査後の安静などで少し時間を頂くことになります。当日は時間に余裕を持ってお越しください。
- ⑤ 持病や常用薬のある方は事前に電話で相談してください。状況によっては一度外来に受診して頂くことになります。
ご不明な点は電話でご相談ください。
検査費用(概算)
(例) 保険適用(3割負担)の場合
病理(生検)なし、検査のみ |
6,000~7,000円前後 |
病理(生検)あり |
10,000~20,000円前後 |
※上記金額は概算です。検査内容によって金額に多少の前後があります。
検査についてご不明な点は当院までお問い合わせください。