三軒茶屋駅前おなかクリニック

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インフルエンザ

Influenza

インフルエンザについて

厚生労働省国立感染症研究所感染症研究所センターホームページより)

疫学

わが国のインフルエンザの発生は、毎年11月下旬から12月上旬頃に始まり、翌年の1~3月頃に患者数が増加し、4~5月にかけて減少していくパターンを示します。
インフルエンザワクチンの効果は接種後2週間ぐらいで発揮され5か月くらい持続するということを考えると、接種は12月上旬までにおこなうのが望ましいと考えられます。
予防の基本は、流行前にワクチンを接種することです。

病原体

インフルエンザについて

インフルエンザウイルスにはA,B,Cの3型があり、流行的な広がりを見せるのはA型とB型です。
A型インフルエンザウイルスはさらに144種類もの型(亜型)に分けられますが、そのうち、ひとの間で流行しているのは、A/H3N2(香港型)と、A/H1N1(ソ連型)の2種類です。これらのウイルスはさらにそれぞれの中で、毎年のように小さい変異をしています。
B型インフルエンザウイルスは2種類(山形型、ビクトリア型)ですが、同様にその中でさらに細かい型に分かれます。
これらのA/H3N2(香港型)、A/H1N1(ソ連型)、B型が同時期に流行することがあるため、同じシーズンの中でA型インフルエンザに2回かかったり、A型インフルエンザとB型インフルエンザにかかったりすることがあるのはこのためです。また、それぞれの細かい型に対する免疫反応(抵抗力)は少しずつ異なるので、人はインフルエンザウイルスの変異に追いつけず何回もインフルエンザにかかることがあります。

臨床症状

インフルエンザについて

インフルエンザにかかると1~3日間ほどの潜伏期間の後に、38℃以上の発熱、悪感、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などが突然現われ、咳、鼻汁、のどの痛みなどの上気道炎症状がこれに続き、約1週間の経過で軽快するのが典型的なインフルエンザです。一般的なかぜと比べて症状が強いことが多いですが、非典型的な経過をたどるインフルエンザもあるため要注意です。
多くの人は自己免疫によって自然治癒しますが、乳幼児や高齢者、妊婦、免疫力の低下、喘息、心臓病、腎臓病、糖尿病などの持病をもつ人は二次的な細菌感染症を起こしやすくなり危険が増加します。

治療・予防

インフルエンザについて

ワクチン接種による免疫の防御に有効なレベルの持続期間はおよそ5ヵ月ですので、毎年流行シーズンの前(12月上旬頃まで)に接種することをお勧めします。

一方、日常生活でインフルエンザの予防を考えるためには、どのようにインフルエンザに感染するかを知らなくてはなりません。
インフルエンザの主な感染経路は2つあります。

(1)飛沫感染

感染している人のくしゃみや咳で出るしぶきを吸い込むことによる感染。くしゃみや咳を浴びる距離(2メートル程度)にいる人は感染の危険性が高い。

(2)接触感染

感染している人の唾(つば)や鼻みずが手から手へ、あるいはドアノブやつり革などを介して手に付着することなどによる感染。
ただし、インフルエンザは、ウイルスが手に付着しただけで感染することはありません。ウイルスが付着した手で、口や鼻、目などの粘膜を触れることで感染します。

このことからインフルエンザを予防するには

  • 流行時には人込みを避ける
  • マスクを着用する
  • うがいをする
  • こまめな手洗い
が大切になります。
当院ではインフルエンザの時期に上気道炎症状で来院されるかたにはマスクを着用していただくようお願いしております。

インフルエンザワクチンについて

インフルエンザについて

インフルエンザワクチンは、不活化HAワクチンです。感染や発症そのものを完全には防御できませんが、重症化や合併症の発生を予防する効果は証明されており、高齢者に対してワクチンを接種すると、接種しなかった場合に比べて、死亡リスクが1/5に、入院の危険を約1/3~1/2にまで減少させることが期待できます。
また現行ワクチンの安全性はきわめて高いと評価されています。我が国の不活化インフルエンザワクチンは、発育鶏卵の尿膜腔で増殖したインフルエンザウイルスを原材料として製造されます。つまり、ごく微量の鶏卵由来成分は残存します。ただし、卵アレルギーが原因でワクチンを接種できないケースは、実際にはきわめてまれと考えられます。鶏卵アレルギーがあっても全身症状あるいはアナフィラキシーを起こしたことがなければ通常特に問題なく接種が可能ですが、主治医とよく相談して接種することが大切です。

当院では少数ですがインフルエンザ予防接種のWeb予約を受付しております。ワクチンの入荷時期や入荷量はその年によって異なります。在庫が確保でき次第順次枠を拡大して行く予定です。

抗インフルエンザウイルス薬について

インフルエンザについて

抗インフルエンザウイルス薬としては、タミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタ、ゾフルーザなどがあります。
抗インフルエンザウイルス薬を適切な時期(発症から48時間以内)に使用を開始すると、発熱期間は通常1~2日間短縮され、ウイルス排泄量も減少します。
なお、インフルエンザの症状が出てから2日(48時間)以降に服用を開始した場合、十分な効果は期待できません。

予防投与について

抗インフルエンザ薬には、体の中でインフルエンザウイルスが増えるのを抑える作用があります。抗インフルエンザ薬を予防的に使っていると、インフルエンザウイルスに感染しても体の中でウイルスが増えにくくなるため、結果としてインフルエンザの発症を予防することが出来ます。インフルエンザ発症者あるいはウイルス排泄期間にある者と接触後48時間以内に抗インフルエンザ薬を服用すると発症の頻度を10分の1程度に抑えることができるという海外のデータがあり有効性が報告されています。
現在保険適応は限られたハイリスクの方、インフルエンザにかかると重症化しやすい人が対象になっています。

  • インフルエンザにかかった場合に重症になりやすい人
  • 65歳以上の高齢者
  • 気管支喘息など慢性の呼吸器疾患がある
  • 心不全など慢性の心臓病がある
  • 糖尿病などの代謝性疾患がある
  • 腎臓病がある

前述の通り流行前のワクチン接種がインフルエンザ予防には有効ですが、ワクチンを打っていても発症を完全に防げるわけではありません。また諸事情で予防接種のタイミングを逸した方もいらっしゃると思います。そんなときにパートナーや同居する家族がインフルエンザをかかってしまい、感染するリスクが極めて高い時あなたはどうしますか?
接触したから必ず発症するとは限りません、発症リスクを抑えるため手洗い、マスク、うがいなどの予防は当然必要です。たとえ感染しても症状は辛いが、適切に診断し早期に治療を行えばほとんど問題なく完治します。

しかしタイミング悪く高校や大学受験、会社の命運がかかった重要な仕事など人生を左右する大切な行事を間近に控えて、どうしてもインフルエンザにかかりたくない!という場面もあると思います。そうした緊急事態にも上記のインフルエンザ薬の予防投与は選択肢の1つとなります。
もちろんデメリットもあり、お勧め出来ない場合もございますので、まずは相談頂ければと思います。

  • デメリット
  • 予防投与を行なっても発症することはあります。
  • 健常な方は保険適応外ですので自費での治療となります。
  • 健常な方は薬剤の添付文書に記載されていない使い方となるため、万一、重い副作用が起こっても「医薬品副作用被害救済制度」の補償が受けられません(副作用のリスクは通常のインフルエンザ治療と同じです)。
  • 抗インフルエンザ薬を使い過ぎると、耐性を持ったウイルスが出現する恐れがあります。
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