適応障害の原因となるものとしては、就職・入職、部署異動、入学や進学、結婚や出産、人間関係などが挙げられ、その人が「ストレス」と感じれば何でもなりうるのですが、注意が必要なのは「喜ばしいこと、望ましいこと、うれしいことも人はストレスとして感じてしまう事がある」という事です。ですので、何が原因か振り返るときは、嫌だったこと、辛いことに焦点を当てすぎず、ご自身の生活の中でどういった変化があったのかを、いいことも悪いことも含めて振り返ることが大事になります。
Medical
適応障害、あまりこの病名を聞いてもピンとこない方が多いかもしれません。
適応障害は、自らの環境に適応できず、そのストレスが心身にわたる様々な症状として反映されてくる病気です。
多くはうつや不安といった症状が出てくるのですが、特徴としては、ある環境に入って3カ月以内に症状が出る事、ストレスの原因が無くなると6カ月以内に症状が改善していくという事です。ちなみに、うつ状態が6カ月以上持続する場合はうつ病の診断がつく可能性がありますので、注意が必要です。
適応障害の原因となるものとしては、就職・入職、部署異動、入学や進学、結婚や出産、人間関係などが挙げられ、その人が「ストレス」と感じれば何でもなりうるのですが、注意が必要なのは「喜ばしいこと、望ましいこと、うれしいことも人はストレスとして感じてしまう事がある」という事です。ですので、何が原因か振り返るときは、嫌だったこと、辛いことに焦点を当てすぎず、ご自身の生活の中でどういった変化があったのかを、いいことも悪いことも含めて振り返ることが大事になります。
表面上は、うつや不安の症状が出ることが多いのですが、病気の特徴上、ただ単にうつ病や不安障害の治療と同じことをしていてもこの病気は回復が難しいのです。
適応障害の治療に必要なのは、①環境調整と②ご本人の適応力の向上になります。
環境調整に関しては、まずはその場から離れて休息する、というのが第一に挙げられます。会社が原因で適応障害を発症した場合、部署異動は一つの方法ですが、移動した先の部署でも同じようなストレス負荷がかかる可能性があることを考えると、安易な部署異動は治療的ではないかもしれません。そこで、②が重要になってきます。
自分はどういったストレスに弱いのか、ストレスが生じた際に、どうやって対処していったらよいか、という思考錯誤を重ねることが、適応能力を向上させることになり、色々な環境でもストレスを受けにくくなると考えられます。言うなれば、自分の特徴をうまく把握して、自分で居心地の良い環境を作っていくことが理想的なゴールになります。ストレスの原因と向き合ったり対処を考えていくというのは、大変な作業ではありますが、周りの人や医療機関に相談しながら、考えを整理していく事から始めていく事が良いと思います。ぜひ受診を検討してみてください。